― 定期演奏会の記録 ―
プログラム・曲目紹介
- キリエ Kyrie
- グローリア Gloria
- クレド Credo
- サンクトゥス Sanctus
- ベネディクトゥス Benedictus
- アニュスデイ Agnus Dei
- キリエ Kyrie
- グローリア Gloria
- クレド Credo
- サンクトゥス Sanctus
- ベネディクトゥス Benedictus
- アニュスデイ Agnus Dei
- 魅惑の宵 〜「南太平洋」より(合唱)
- 見果てぬ夢 〜「ラ・マンチャの男」より(合唱)
- サンライズ・サンセット 〜「屋根の上のバイオリン弾き」より(合唱)
- サウンド・オブ・ミュージック 〜「サウンド・オブ・ミュージック」より(合唱)
- エーデルワイス 〜「サウンド・オブ・ミュージック」より(テノール独唱・横山和彦)
- すべての山に登れ 〜「サウンド・オブ・ミュージック」より(合唱)
- 踊り明かそう 〜「マイ・フェア・レディ」より(ソプラノ独唱・嶋?裕美)
- 君の住む街角 〜「マイ・フェア・レディ」より(テノール独唱・小林大作)
- メモリー 〜「キャッツ」より(合唱)
- オペラ座の怪人 〜「オペラ座の怪人」より(合唱)
モーツァルト19歳の作品:ミサ曲 ハ長調『雀ミサ』 KV220
『雀ミサ』という呼称は「サンクトゥス=感謝の讃歌」と「ベネディクトゥス=誉むべきかな」の楽曲のなかの「プレーニ・スント」と「ホザンナ」に現れる旋律が、雀のさえずりを連想させる音調モチーフに由来する。『雀のミサ』ともいわれ、愛されている。自筆譜が発見されず、作曲年代に異説もある。1775年内か1776年初期に作曲されたという説からモーツァルトが19歳の時の作品となる。この時期の彼はザルツブルク大司教コロレード伯爵の雇われ身分。大司教ミサ簡潔令「自分が直々に執り行うミサの演奏時間は最高でも45分、簡潔なものでよい」に応じた。『雀ミサ』の演奏時間は約17分で、ミサ・ブレヴィスの中でも超短ミサ曲といわれている。しかし、ローマカトリック教会音楽目録にはミサ・ソレムニスと記載されているほど、内容的に荘厳ミサ的色彩感が凝縮されていて、しかも音調の快活性と荘重性が抜きん出ている。全18曲のミサ曲のうちザルツブルク時代の作品は14曲。しかも1775年内にハ長調のミサ曲作品が『雀ミサ』を含めて4曲もあることに注目したい。
シューベルト18歳の作品:ミサ曲第3番 変ロ長調 D324
古典派後期のモーツァルト19歳の作品『雀ミサ』、それから40年後、ロマン派初期のシューベルト18歳の作品「ミサ曲第3番」。ミサ典礼の通常文は原則的に共通不変。両者のミサ通常文の音楽表現様式の独自性には驚嘆する。シューベルトは11歳でヴィーン寄宿制神学校に入学以来アントニオ・サリエリの指導を受け、変声期の16歳で神学校を去ってからも独自な作風のあり方について強烈な指導を受けたという一説がある。シューベルトは「歌曲の王」ともいわれ、特にシラー、ゲーテの詩を好み、ドイツ歌曲作家の最高峰。生涯31年のうち宗教音楽の作品は45曲、そのうちミサ曲は6曲。1815年、シューベルト(18歳)の創作活動は特に注目されている。「ミサ曲第2番」「ミサ曲第3番」を含めゲーテの詩「野ばら」や「魔王」など歌曲138曲と器楽曲の作品がこの年に集中している。「ミサ曲第3番」は一般的には演奏される機会が極めて少ない。松戸混声合唱団の本日演奏楽譜の序文には「シューベルトは作曲上では、古典的技法に基づいたミサ伝統様式をシンフォニックな構想に結びつける課題の中に、現代的な特色化に取り組んできた。声楽的響きは伝統的であるがファンファーレ的で高揚感、華やかで速い楽句、心地よい旋律などを巧みに表現している」と紹介している。
ようこそ ミュージカルの世界へ
リチャード・ロジャース作曲 ミュージカル《南太平洋》から
- ♪合唱『魅惑の宵』
南太平洋ポリネシア諸島が舞台。太平洋日米海戦の戦時下に、平和に暮らす島の原住民たち。故国に婚約者がいる青年仕官ケーブル中尉と原住民の娘との深い愛。野戦病院女性仕官ネリーと現地農園主で中年フランス人エミールとは互いに愛の芽生えを感じ♪<魅惑の宵>を歌い、愛を告白。
エミールは結婚を望み、ネリーは彼の前歴に偏見を持ち結婚を否定。戦局は激化し、愛に生きる望みを失ったエミールは志願してケーブル中尉と最前線に赴き、情報作戦で米軍を優位に導き戦功を立てるが、中尉は戦死。戦時下現地での「理想の愛」と「阻む現実」の物語である。
ミッチ・レイ作曲 ミュージカル《ラ・マンチャの男》から
- ♪合唱『見果てぬ夢』
16世紀末期のスペイン・ラ・マンチャ地方。劇作家ミゲル・デ・セルバンテスは教会を冒とくした容疑で投獄される。彼は囚人たちと共演の牢内劇「遍歴の騎士ドン・キホーテ」を提案。セルバンテスは読書狂アロンソ・キハーナ役。キハーナは妄想から「ラ・マンチャの男ドン・キホーテ」なる人物に乗り移ってしまう。キホーテは「常に理想の姿」を求め、従僕は冷静に「常に現実」を見ている。キホーテは鎧兜をまとい、槍を手に従僕と勇んで出陣。大風車を大魔人の姿と幻覚、挑戦敗北の後、旅寵で出会った「下賤の女アルドンサ」を幻想で「貴婦人ドルシネア姫」と錯覚。キホーテは、姫にお仕えして「この世の正義」のために戦いたいと♪<見果てぬ夢>を歌い、諸国遍歴の旅に出る。牢内側は終わり、荒んでいた囚人たちは「理想を求める生き方」に勇気づけられ♪<見果てぬ夢>を大合唱する。
ジェリー・ポック作曲
ミュージカル《屋根の上のバイオリン弾き》から
- ♪合唱『サンライズ サンセット』
19世紀末、帝政ロシアの領地アナテフカの村人たちの暮らしぶり、どんなことでも「屋根の上のバイオリン弾き」は知っている。ユダヤ教徒の「牛乳屋テヴィエ」は女房ゴールデと娘5人に囲まれ、貧しくても日々幸せに暮らしている。長女ツァイテルは恋人がいる。テヴィエは娘の意志を尊重し2人の結婚を認める。村人たちは若き2人に明日への希望を託し、合唱♪<サンライズ サンセット>を歌う。政局は極めて悪化。ユダヤ人迫害で結婚パーティーは中途で破壊。さらに国外追放命令が下る。時の証言者「屋根の上のバイオリン弾き」はもの悲しく曲を奏でる。
リチャード・ロジャース作曲
ミュージカル《サウンド・オブ・ミュージック》から
- ♪合唱『サウンド・オブ・ミュージック』
- ♪テノール独唱『エーデルワイス』
- ♪合唱『すべての山に登れ』
修道女マリアはザルツブルク近郊の丘に登り「鳴きわたる鳥の声は〜」と伸びやかに♪<サウンド・オブ・ミュージック>を歌い、物語りが始まる。トラップ大佐は夫人亡き後、7人の子供たちを厳しい軍隊調規律で育てている。マリアはトラップ家の家庭教師に赴く。子供たちは♪<ド・レ・ミの歌>を基本に合唱を歌う楽しさで夢中になる。トラップ家に消えていた音楽が見事に甦った。賓客歓迎の場面で、子供たちは合唱♪<サウンド・オブ・ミュージック>を、トラップは♪<エーデルワイス>を歌う。マリアとトラップは互いに愛の意識を抱き始める。彼の婚約者の嫉妬から逃れ、修道院に籠り心中の悩みを告白。院長は「男女の愛は神聖、豊かな愛をどこに注ぐか、道を探すのです」と諭し「夢こそは愛のすべて〜」と♪<すべての山に登れ>を歌い、マリアの心の迷いを晴らす。2人は結婚。ナチス台頭で時局は悪化、愛国者トラップ大佐は密かに亡命を決意する。歌コンクールでトラップ・ファミリー合唱団の演奏、大佐は「祖国への愛の歌」♪<エーデルワイス>を歌い、聴衆は深く感動する。直後、ナチス隊の追跡から逃れ、無事一家は山を越え中立国スイスへ亡命する。♪<すべての山に登れ>が聞こえてくる。
フレデリック・ロウ作曲 ミュージカル《マイ・フェア・レディ》から
- ♪ソプラノ独唱『踊り明かそう』
- ♪テノール独唱『君の住む街角』
コヴェントガーデン・オペラハウス前。下町ことばで花を売る貧しい娘イライザ。上流階級の話ことばや礼儀作法を教えている言語学習ヒギンズ教授。イライザを上流階級の社交界で立派に通用するレディーに教育してみせると、友人ピッカリング大佐に豪語し教育費を賭ける。訓練は厳しく♪<今に見てろ>の根性。苦労の末、優雅な英語が話せるようになった。イライザは嬉しくて寝てなんかいられないと♪<踊り明かそう>を歌う。社交界デビューのアスコット競馬場。上品な会話と振る舞いは、外見上ではレディーらしくできた。反面、本性は下町花売り娘のままが露見。デビューは失敗に終わった。その後の猛特訓で真のレディーに成長し、再デビューでは皇太子とダンスの相手に指名される。心も美しく成長を遂げた彼女はヒギンズの言うなりになっている自分を見つめ悩む。美しいイライザに熱中する貧乏貴族の令息フレディは♪<君の住む街角>を歌う。
アンドリュー・ロイド=ウエバー作曲 ミュージカル《キャッツ》から
- ♪合唱『メモリー』
人間に飼い慣らされることを拒み、独自の生活に信念を貫き通す個性派猫ジェリクルキャッツ。長老猫デュトロノミーは特別な舞踏会を開く。そこでは心清らかな猫、天上に昇り永遠の命を授かり、新たに生まれ変われる唯一の猫が選ばれる。満月の夜、ジェリクルキャッツが舞踏会に集まる。「娼婦猫グリザベラ」は皆から蔑まれ、嫌われ、歓迎されず舞踏会の輪の中に入って行けない。寂しい我が身の心境を感じながらも、過ぎし日の運命に感謝し♪<メモリー>を清らかな心で歌う。グリザベラは「永遠の命」を授かる唯一の猫に選ばれた。彼女を蔑んでいた猫たちは天上に召されて行くグリザベラに敬度な心で「新たな生命の復活」を祈る。
アンドリュー・ロイド=ウェバー作曲
ミュージカル《オペラ座の怪人》から
- ♪合唱『オペラ座の怪人』
新作オペラのリハーサル中、主役(S)がアリアを歌いだすと頭上から巨大な落下物。急遽、代役にクリスティーヌ(S)が抜擢された。彼女の出演が脚光を浴び、オペラ公演を大成功に導いた。成功したのはパパが贈ってくれた「音楽の天使」のお陰と喜ぶ。楽屋の鏡の中から仮面を付けた怪人が現れた。クリスティーヌは怪人と「夢の中であなたは この心にささやく〜」♪<オペラ座の怪人>を歌うが、醜い怪人の素顔を見てしまう。「クリスティーヌ、愛している」と泣き崩れる怪人、頭からマントを被る。マントの下には怪人の姿は無く、仮面だけが残されていた。